冷泉荘のヌシのひとり・杉内玄徳の謎

冷泉荘は今年で築59年。古い建物であることや、2000年ごろにはスラム化していたことなどから、再生されて活気のある現在の冷泉荘でも座敷童子がいるとか言われることもあります。

ぼくはまったくそういった雰囲気を感じたことはありませんが。。。

さて、杉内玄徳とは何者か。彼もまた冷泉荘にいるなかなか姿をみることのできないヌシのひとりかと思います。

彼が登場したのは、2012年6月27日。冷泉荘の入居者、冷泉荘管理人の山紘一郎、NPO法人ドネルモ代表・山泰さん、詩人の渡辺英さん、FUKUOKA ART NINJA・芸術現場調整家の永昭夫さん4人があつまって、美大のない九州で美大のような感覚を学べる場が作れないかとはじめた「よりみち文化塾」に、塾長として杉内玄徳は登場します。場はあるけれど姿はみえない。。そんな杉内玄徳のもとで、よりみち文化塾は毎月さまざまな講座を開催してきました。

各回のタイトルは「杉内玄徳 リトルピープルの時代と平成ライダーを語る」、「コトバが変わるとき」、「興味津々、中国の磁場」、「”ないぶひばくよぼう” を流行らせ隊♪」、「マーラー、メルヘンやめるってよ」、「KEYS FOR KEY と 私」、「杉内玄徳『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を語る」、、、

2013年9月からは、福岡で最も音楽・映像・本・ライブに精通しているのではと思われるハイパー公務員の石橋久嗣さんも加わって、石橋さんのアーカイブを杉内玄徳とともにみる『杉内玄徳の夜「物語をみない映画&音楽会」』がスタートしました。なんとこの「物語をみない映画&音楽会」、毎月第一木曜を中心に毎月欠かさず開催しておりまして、なんと次回の10月5日(木)で第50回!50ヶ月目です!冷泉荘の入居者さんも帰りがけにふらりと立ち寄るなど、冷泉荘のみんなで作っているイベントが長ーーーーーーーーく続いていて、とてもうれしいです。

映画といえばストーリーが重視されることが多いですが、ジャン=リュック・ ゴダール監督作品やホン・サンス監督作品にふれたときのように物語以外の映像・音楽のパワーに魅せられるような映画の観方をしても面白いかもしれない、というところからはじまった「物語をみない映画&音楽会」。石橋さんのチョイスもすばらしく、下記のような旅を続けてきました。

初春狸御殿、鴛鴦歌合戦、陽気な中尉さん、ラヴ・パレード、有頂天時代、トップ・ハット、我輩はカモである、ご冗談でショ、サイレント時代の短編ドタバタ喜劇アンソロジー、コメディつながりで「サタデー・ナイト・ライブのアンソロジー」70年代&80年代前半、『懐しの歌合戦/なつかしの映画歌謡史』、13歳の美空ひばり主演の『東京キッド』、『小沢昭一の「新日本の放浪芸」~訪ねて韓国・インドまで~』2枚組、『金日成のパレード』、『Rosas / Fase』、『クレージーキャッツ・デラックス』、仙波清彦とはにわオールスターズの『イン・コンサート』、ノースモーキング・オーケストラの『SUPER8』、『George Benson: Absolutely Live』、ルーファス・ウェインライトの『Rufus Does Judy Live at the London Palladium』、ジョニ・ミッチェル自ら監督した『シャドウズ・アンド・ライト』、トーキング・ヘッズの 『クロノロジー~グレイト・ライヴ1975-2002』、ラテン・ジャズ・レジェンドたちの『Calle54』、いろいろ考えさせられながらもとにかくすごかった『意志の勝利』、ベルリンオリンピックの記録映画『民族の祭典』、市川崑監督の『東京オリンピック』、ふちがみとふなととパスカルズ『1と2』、『ハラショー!こまっちゃクレズマがロシアにやって来た。』、時代劇オペレッタ『弥次喜多道中記』、記念すべき30回目には『大当たり狸御殿』、20世紀のピアノ音楽総まくり的な「アート・オブ・トイピアノ マーガレット・レン・タンの世界」、エクストリームなピアノ第2弾「ピアノマニア!」、主人公が全く成長しないままヒーローになる『ハーダー・ゼイ・カム』、国本武春さんのエクストリームな浪曲!『どかーん!武春劇場 tour 2007』、エクストリームな語り藝つながりで『桂枝雀 十八番』、『ゴンチチ – ダブル還暦フェスティバル2014』、『ハリー・スミスプロジェクト:アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック・トリビュート』、ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』、ビートルズの『A HARD DAY’S NIGHT』、『マジカル・ミステリー・ツアー』、アントニオ・ガデス『カルメン』、アントニオ・ガデス2本目『血の婚礼』、矢野顕子『Brooch』『オーエスオーエスライブ1984』2本立て、『永遠の越路吹雪/日生劇場リサイタル’70』、『ドグラ・マグラ』、『ざ・鬼太鼓座』、大駱駝艦夏合宿ドキュメンタリー『裸の夏 The Naked Summer』、『昭和名人芸大全 珍芸・奇芸・ビックリ芸』、『Sade Live』、、、そして50回を記念する次回は『旅芸人の記録』。ひたすらにハピネスめでたいすごい&いろいろ考えさせられる映画・映像・極上の音楽を楽しんでおります。

開催場所が冷泉荘事務局と狭いこともあり、告知はFacebookでほそぼそと行う程度ですが、上映会ではなく杉内玄徳と石橋さんの部屋に遊びに来る機会として参加無料・食べ物飲み物各自持ち寄り・入退場もちろん自由な場ですので、ぜひご興味の方はふらりと遊びにいらしてくださいませ。

ちなみに、管理人的には、実は杉内玄徳の夜の日は月に1度の管理人室大掃除の機会でもあります。なかなか床拭きなどまでは日常的にはできていないのですが、杉内玄徳のパーティのあとには水拭きをする機会にもなっています。そのときにYouTubeでロシアやウクライナの音楽調査を行いながら掃除をしているので、これはひそかな管理人のアフターパーティ掃除です。杉内玄徳にもお礼を言いながら。。。

杉内玄徳の動きは、冷泉荘に集う人をさらにつなげていきながら、まだまだゆるゆると続いていきます。

今後の活躍もおたのしみに!

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