九州大学芸術工学部・芸術工学府の井尻寮。ぼくもかつて4年間住んでいた、とっても思い出深い場所。通称・芸工大井尻寮の中庭にて、井尻寮主催、ぼくら廃材楽器のサウンド・リノベーション・バンド共催で「みやたけ楽器工作室」と題した、みやたけ小学校の生徒さん対象の廃材楽器づくりワークショップが10/9(日)に開催されました。気持ちの良い汗もじんわりかいてしまうほどの晴天の中、みんなで廃材と向かい合い、楽器を作っていきます。
参加にあたって、参加者は楽器にしたいもの・楽器にしたい廃材/いらないものを持ってきています。それを、ぼくらがもってきた廃材と組み合わせながら、自由な楽器へと作り替えていきます。はてさて、どんな楽器ができあがるのやら。時間をかけて、作りたい楽器も廃材の組み合わせから考える、イマジネーションと観察が鍵となるワークショップです。
まずは、ぼくたちの自己紹介と、これまで作ってきた廃材楽器の紹介。みんな、ぽかーんとなっています。
でも、廃材を”音の素材”としてみてみる・さわってみると、みんな喜びはじめます。
叩いたり、吹いたり、空気を流しこんでみたり、むしろもうちょっと壊してみたり、集めてみたり、ころがしてみたり、
いろいろと、いじっていきます。
廃材とともに、音にふれていく。そういうプロセスです。
そして、ひととおり廃材にふれると、みんなちょっとこまっていきます。ぼくらもいつも、いったん廃材にふれ、音にふれ、そしてそれに満足すると、いったん途方にくれる。はたして、これから何ができるのだろう。どう組み合わせたらよいものか。。。と。でも、この廃材がなんだか気になる。。。となってくると、それを軸として、イマジネーションがぴりりと刺激されて、小さく動き始めます。
途方にくれてみる。
これが、廃材に出会ったときの、大事なプロセスです。
さてさて、子供たちも動きはじめました。とりあえず動き出してみるんです。
できた!
できたー!
でっかいのできたー!
呪術的に使われそうな形・音のもの、かっこいい楽器らしい形・音のもの、スケールのでかいもの。形も大きさも、演奏方法も、まったく異なる楽器が、生まれてきました!廃材楽器の面白さは、おもいがけない出会いと組み合わせ、それを結びつける柔軟で繊細なイマジネーションが融合されて、得も言われぬ不思議な説得力のあるモノが生まれてくるところにあると思います。それはまさに、錬金術のようで、異界からの来訪のような姿・音をもったものとのコミュニケーションがこれからはじまるという、未来を生み出します。過去に捨てられたものが、出会いの中で未来をつれてくる。子供たちは、それをもっとも直接的に楽しんでいるようにみえました。実に、刺激的な時間でありました。
これらの井尻寮にてつくられた廃材楽器は、同じく井尻寮にて開催される井尻音楽祭にて演奏とともに披露されるそうです。
開催日は10月15日(日)(雨天時は翌週に延期)。お楽しみに!