潮の満ち引き、風が生じる波、そして無数の海洋生物が発する音。海で生じているこれらの波動は、長きにわたって生命を包み込んできた「揺籃の響き」と言えます。一方、空気中の、限られた周波数の音に特化した人間の耳にとって、それは完全に未知の音世界です。
＜Earth Breath＞は、シンプルなテクノロジーを用いて海中の波動を可聴化し、それに耳を傾けるための空間を設置する試みです。例えば、海の波は私たちの可聴域を遥かに下回る約0.03〜1Hzの振動現象ですが、特殊な水圧計を用いてそれを記録し、コンピュータ上で時間尺を圧縮することで、音として聴くことができるようになります。同様の方法で潮の満ち引きの音を、また水中マイクを用いることで海洋生物が発する音を聴くことができます。
こうして見出された音からは、天体の運行、風の動き、生命の活動など、様々なレベルのプロセスが浮かび上がってきます。日常的な聴覚を拡張しながら、海のふるえとなった「地球の息」に耳を傾けてみませんか？なお、観測に用いた自作の装置（水圧計や水中マイク）も会場に展示しますので、あわせてご鑑賞下さい。
■ 日時：5月9日（金）〜5月11日（日）11:00〜19:00
■ 場所：リノベーションミュージアム冷泉荘B棟1階ギャラリー
（福岡市博多区上川端町9-35）
■ 入場無料
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＜期間中イベント＞
ギャラリートーク「水中音響から広がる世界」（岡崎峻／九州大学藤枝研究室）
展示作品の解説を行うほか、水中環境音と生態系との関わり、「聴こえない音」を探求する科学者・アーティストの活動といった関連トピックについて、音や映像とともに紹介します。
■ 日時：5月11日（日）16:00〜
■ カンパ制（高校生以下無料）
＊会場は同じです。
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■ 企画：九州大学藤枝研究室
■ 後援：NPO法人 福岡ビルストック研究会
問合せ：080-3001-7638, okazaki.8671@gmail.com （岡崎）