文学、小説はコムズカシイものではなく、本当はおもしろいもの。では何がおもしろいのか? 国語の授業とは一味違うやり方で、それを一緒に解き明かしていきましょう。
第4回は、これまで「犯人は藪の中(わからない)」と言われてきた芥川の代表作の一つでミステリー仕立ての小説「藪の中」の真相に迫ります。2回に分けて「藪の中」をじっくり読み込もうという試みの、今回はその第2回目。いよいよ講師の解説が始まります!
この小説、文学研究の分野では「犯人は藪の中(わからない)」というのが定説になっていますが、講師は「芥川は犯人が誰かわかるように書いている」と指摘。
芥川研究の分野でもその明快な小説の分析が注目され、執筆した論文が取り上げられたり(『芥川龍之介ハンドブック』鼎書房)、『芥川龍之介事典』(勉誠出版)の執筆を手がけてきた講師ですが、今回の解釈は、これまでになかった新たな視点を展開しています。
真相はどこにあるのか? 芥川の創作意図はどこにあるのか?
さて、講師から皆さんへの今回のお題です。
「多襄丸、真砂、武弘の3人の事件当事者にとって、この事件は語りたい場面がそれぞれ違います。それはどこなのかを考えながら読んでみてください」
前回の講座に参加していなくても、充分楽しめますよ。
最新の解釈を聴きながら、いっしょに「事件」を読み解いていきましょう。
読書は、自分の世界に浸るのもいいけれど、みんなで読むことで豊かさがグンとアップすることも。そんな体験、試してみませんか?
講師:野田康文(のだやすふみ) 日本文学研究者・文芸批評家
1970年生まれ。大学で日本近現代文学、西洋文学を講じつつ、『新潮』『群像』『早稲田文学』など、文芸誌に寄稿。2015年、『子午線vol.3』にて小説家・金井美恵子との往復書簡が掲載され、同年、講談社文芸文庫『金井美恵子自選短編集 エオンター自然の子供』の解説を手掛ける。2016年、日刊ゲンダイで連載した『人生ナナメ読み文学講座』(5月〜7月)では、日本の代表的な近代文学作品を取り上げ、作品のメッセージを読者にわかりやすく解説し、好評を得る。
小説の創作方法を明快に分析することを得意とし、文学講座の講師、講演も行う。
著書『大岡昇平の創作方法』(笠間書院)。現在、福岡大学非常勤講師。
□日 時:2019年11月8日(金)19時〜21時(18:30〜受付)
□場 所:冷泉荘B棟1階 2コ1多目的スペース
(福岡県福岡市博多区上川端町9-35)
【アクセス】
福岡市営地下鉄中洲川端駅5番出口より徒歩5分
西鉄バス川端町博多座前徒歩5分
冷泉公園と川端商店街の間の細い路地に入る
※駐車場はありません。
https://www.reizensou.com/access/
□講 師:野田康文(近代文学研究者・文芸批評家)
□参 加 費:1500円、学生1000円(お茶菓子付き)
□内 容:小説を読んできてもらい、参加者の皆さんの感想を活かしながら、小説の読みを楽しく深めていきます。できれば、事前に作品を読んできてください。文庫本でも、Kindleでも青空文庫でもなんでも可。
□申込方法:準備の都合上、事前申し込み制。
お問い合わせ・ご連絡は、Facebookメッセンジャーか以下のメールアドレスまでお願いいたします。
kobunsha.sky@gmail.com
□次回開催予告 2020年1月24日(金)19時〜21時 *作品は追って広報いたします。