九州大学 大橋キャンパスでエオリアン・ハープの制作授業

九州大学芸術工学研究院 音響設計部門 准教授・城一裕先生の授業「音響生成演習」で、授業の中でエオリアン・ハープを扱えないかと城先生から声をかけていただき、非常勤講師としてエオリアン・ハープ制作授業のお手伝いをしてきました。

*エオリアン・ハープは、風が弦を振動させて音を奏でる音響生成楽器で、冷泉荘管理人・杉山が九州大学での博士研究をしていた楽器です。博士論文のタイトルは『都市環境における「聴く」装置としてのエオリアン・ハープに関する実証的研究』です。https://ci.nii.ac.jp/naid/500000504849

箏に蓋をつけたような形状で、蓋と本体の隙間を風が通り抜けることで音が奏でられます。

↑ ぼくが準備したエオリアン・ハープのキットを組み立てたもの

城先生はぼくが九州大学および九州芸術工科大学のころからの先輩で、プログラミングツール「MAX/MSP」関連で親しくなり、ぼくが大学卒業後も横浜(黄金町バザール)や東京等でエオリアン・ハープ制作ワークショップを企画していただいたりと、濃い縁が続いています。

音響生成演習の授業は、音が生じる仕組みに着目した作品の再現(ポール・デマリニスらの作品)や、釜鳴り神事などを自身で再現しながら体験する授業で、音が生じることの不思議さや面白さに触れ、その体験をさらに拡張していくことを目指しています。エオリアン・ハープの”弦が風によってひとりでに振動しはじめる”という現象は紀元前の神話にも記述がされており、まさに音が生じること自体への感動を体験できるのではと思います。

ということで、お手伝いをしてきました。

音響生成演習の授業は、学部生・大学院生の混合授業で、参加者は約60名。。。60名がいっぺんに作るのは工具や制作のための授業時間、安全面の関係から、6名程度10グループに分けて、合計10個のエオリアン・ハープを作成していただきました。

制作時間は授業2コマ、3時間。

完成してからはみんなで風を探しにキャンパス内を散策。

この日は風も強く(むしろ突風が吹き荒れていてどちらかというと乱流状態の風なのでかえって鳴りにくいぐらいでしたが)、みんな無事に鳴ったようでよかったです。

今回は「音響生成演習」という授業を受講している学生のみが対象でしたが、せっかくなので一般の方にも触れてもらえる機会になればと、城先生にエオリアン・ハープのキットをたくさん制作してもらい、8月6日(土)13時〜16時に、公開講座を開催することを検討していただいております。

こちら、情報はまだこれから確定という状況ですが、ぜひとも参加したいという方がいらっしゃいましたら、情報が入り次第お伝えいたしますので、冷泉荘事務局(092-985-4562/sugiyama@tenjinpark.com)までご連絡くださいませ。

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