今年、築62年をこえた冷泉荘。年々、梅雨時期など豪雨がすごくなっており、屋上全面をウレタン塗膜防水(通気緩衝工法)を実施しました。
梅雨があけてすぐに実施、途中雨が降ることもあり工期が少し伸びましたが、約2週間の工事となりました。
工事は冷泉荘の裏庭側の外壁改修防水塗装工事をしていただいた、軍艦島の保存にも名乗りをあげている株式会社MBSさん。冷泉荘の裏庭側外壁では、MBSさん独自の透明の防水塗料により、冷泉荘の古い外壁をそのままコーティングして残していただいております。古い建物の保存にも多くの知識を持たれているMBSさんに今回もお願いしております。
ウレタン塗膜防水の工程は、ざっくりと下記の通りです。
- 高圧洗浄
- 下地調整
- プライマー塗布&通気緩衝シート貼り
- 脱気筒設置
- ウレタン防水材塗布(2度)
- トップコート塗装
ウレタン塗膜防水は、5年程度で表面のトップコートを再塗装することで、長く性能を維持できます。防水性能はおよそ15年程度でやりかえとなりますが、その際もウレタン防水材を塗布し直すことでできるため、費用面も抑えて防水を維持することができるという特徴があります。
梅雨の最後のあたりの7月末、雨の降る中で高圧洗浄を実施しました。その後、下地調整作業(約3日)。
屋上から飛び出ていた鉄筋をカットし、もともと塗られていた漆喰系の遮熱塗料のでこぼこを修正するように左官業者さんが下地を調整。
綺麗に整いました!
プライマーを塗って、通気緩衝シートを貼り、結合部にジョイントテープを貼ります。
脱気筒を設置してから、ウレタン塗膜防水を2度塗り。
その後、ウレタン塗膜を紫外線から守るためトップコートを塗り、完成!
まるで綺麗な水面のような屋上に生まれ変わりました。
これが脱気筒。屋上の勾配的に上流部にあたる道路側よりの位置に3箇所、脱気筒を設置しています。
右の写真は、脱気筒の中を覗いてみた写真です。下地がみえています。
建物の内部から蒸発した水蒸気が通気緩衝シートを通って、この脱気筒から排気されます。
それにより、ウレタン塗膜が膨らんでくることを防ぎます。
その後、鉄の手すり部を透明の防水塗料でコーティングしていただき、屋上の防水工事が完了しました。
かなりの塗料が使用されております。
商品名はサラセーヌ。絶対に雨には晒せないぜという強い意志を感じます。
ウレタン塗膜防水は、その後の補修もしやすいという利点もあります。そのため、今後も屋上を活用したイベント等を実施予定です。新型コロナウイルスの猛威が収まってからにはなりますが、生まれ変わった屋上で、夕涼み会など多くの方がくつろぐ時間を過ごせる機会が作れたらなぁと思っております。
それまでおたのしみにおまちくださいませ!