LOVE RAIN 冷泉荘、そして岡田斗司夫さん再び。

6/11,12のイムズ地下で開催された、忘れ傘を再生させるワークショップ「Love Rain Project」。

電車で忘れられた大量ビニール傘は、地下鉄だけで年間9000本にものぼるそうです。それらの忘れ傘は、たまる一方なのでどんどん捨てられているそうです。ぼくたち九州大学藤枝研究室・廃材楽器制作チームも、箱崎ふ頭のごみ処理施設/NPO法人エコネットふくおかの方々から大量のビニール傘をいただき、ウィンドチャイムや笛にしたり、弦のような素材として親指ピアノなどに利用したりしています。ビニール傘は、ビニールの部分は特殊なコーティングがしてあるようで、再利用が難しく、そのため燃えないごみとして捨てられます。エコネットふくおかでは、ビニールをつないでかなり丈夫な雨がっぱなどを作り、骨の部分で工具などに作り替えています。ぼくたちも解体して楽器に、あるいはそのまま折りたためる反響板などに利用したりしていますが、「Love Rain Project」では、そのままふたたび傘として蘇ります。

傘のプロジェクトは、渋谷での傘シェア、まちの置き傘としてのシブカサが有名ですね。ビニール傘は特に”その場しのぎ”として使われることが多く、1回かぎりで捨てられることが多いです。また、なくしてもそれほどショックではないので、何回も使っていてもそれほど大きな愛着をもってビニール傘を使っている方は少ないでしょう。

少し前に、傘の持ち手をおしゃれに変えるカバーが流行しました。愛着をもつ、そのことがものを大事にすることに欠かせないということがはっきりとわかりますね。

さて、Love Rain Project。このプロジェクトは「idea for smile」「まちじかんプロジェクト」2つのグループの協同プロジェクトです。人々を笑顔にするアイディア、町、街、待ち、マチ、時間、字間、慈観…いろいろと込められたキーワード。それを表現するひとつの方法として、ビニール傘の装飾が行われたのです。

冷泉荘のコンセプトと重なる部分も多い彼らの活動から、イムズでのイベントの宣伝、プロジェクトの意義の現れとして、冷泉荘のデコレーション展示として6/10〜6/12まで、A棟階段が彩られました。この試みは非常に好評で、いろいろなアイディアを刺激することとなりました。そして、傘が増量されることとなったのです。

夜までかかった取り付け作業

傘の増量展示は、6/17(金)〜6/19(日)まで。A棟階段に加え、冷泉荘メンバーのみなさまにも協力をしていただいて4〜5階、屋上のベランダ手すり部分に傘をとりつけ!実にきれいです。

そして、透明なビニール傘なので、それぞれの装飾とともに冷泉荘の建物が飛び込んできます。ふとすると気づかずに通りすぎてしまいそうなさりげない装飾。それでいて、個々の傘はなかなかに派手。このさりげなさが、傘に透過される冷泉荘の輪郭を強調します。透明な傘によって、かえって建物が強く意識されます。

非常に面白い装飾です。また、雨がふると、それぞれの傘に雨の雫が連鎖して垂れていきます。階段をおりていくスプリングのおもちゃがありますが、それと同じように雨が、傘をゆっくりとおりていきます。常に落ちるのではなく、ある程度の量まで溜まってから落ちて行くので、バタバタバタっ→少しの間→ばたばたばたっと、間隔をあけながら音が移動していきます。木のおもちゃで、球がゆっくりと階段的におりていくものがありますが、それを彷彿とさせます。実に面白い。音響作品として形を変えて展示もできそうです。

傘の展示期間には、6/18(土)夜に、「岡田斗司夫さんの福岡ひとり夜話」第2回というビッグなイベントがありました。入場時は今回も行列ができましたが、列を待っている方々は上をみあげ、待ち時間を楽しんでいきました。

6/19(日)には、「Love Rain Project」のスタッフがたくさん冷泉荘に常駐し、パネル展示と傘の室内展示を行いました。

お客さんも、スマイル!

ドネルモさんの制作した傘がお気に入りだったようです!

雨のなかで、いや、雨をともなうことで、冷泉荘がひときわ輝いた。そんな2週間でした。

傘の展示期間中は常に大雨で、傘によって雨にLOVEを送った冷泉荘、それに答えた天。

傘が、天気と建物をつないで、お互いの愛を出会わせた、そんな愛会傘なプロジェクトでございました。

岡田斗司夫さんの「福岡ひとり夜話」のテーマは”理想の彼氏と理想のヨメ”と、男女の恋愛に関する話題でした。きっと、傘に包まれた冷泉荘にトークを聞きにきたお客さんたちは、いまごろステキな愛会傘をさしていることでしょう。。。

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