築100年を目指して動いている冷泉荘、2月1日から裏庭側の外壁改修工事を実施いたしました。「リノベーションミュージアム冷泉荘」として、リノベーションや改修のあとなどの痕跡を可能な限りそのまま残して、建物の活用される歴史と生き様を直接観て触れることができるようにしたいと考えています。
そこで、軍艦島の保存にも使用が検討されている株式会社エムビーエスさん(http://www.homemakeup.co.jp)の特殊クリアコーティング材でなら、冷泉荘57歳のいまをそのまま残しながら保護することが出来る!と想いが合致し、エムビーエスさんに外壁改修工事をお願いいたしました。
2月の冷泉荘日記で、下地処理までの過程をたくさんの写真とともに記しました。今回は、その続きです。
作業も大詰め、塗装によるクリアコーティングと、外壁改修工事完了の姿をお伝えします。
作業は天候の影響もあって、3月はじめの週まで、トータルで1ヶ月ちょっとかかりました。
窓などを養生して、数日かけて外壁のすみずみまで塗りこみます。
剥離した部分などは、かなり厚くどっぷりと塗りこみます。
塗り終わりました!
観るのにおすすめの壁は、ここ。A棟2階 引力の間から裏庭側に降りる階段のところです。
ここは今回の工事のダイジェストが詰まった場所で、ここを観るだけでどういった工事の工程だったのかを確認することができます。
壁の浮いている場所に穴を開けて接着剤を充填したあとが点々と残っています(胸に7つの傷の男、みたいに点点点となっているところです)。角の白い部分は、ガラス繊維で新しく補強をした部分です。それらの上に薄緑色のプライマー(塗装下地を作るための塗料)が塗られ、クリア塗料でコーティングしています。建てられた当時からの壁の色も、あたらしく手を加えたところもバッチリ観ることができます。
そして、足場を解体して、、、この作業がとてもはやい!足場がひょいひょいと下に運ばれます。
大学生のころに足場を組んでステージを作るなどしたことがありますが、何枚も重ねて肩にのせて運ぶ姿は、すごいなと感動。
今回の工事では、外壁改修工事と同じ塗料で、一部実験的に階段部の防水塗装をしています。
冷泉荘の階段部も塗装剥がれなどが生じてきており、特に昨今のゲリラ豪雨では通常の雨では入り込まないような部分にまで滝のように水が流れてくることも。階段部の防水も、冷泉荘の大きな課題のひとつです。
耐久性や摩耗など、実生活のなかで感じようという試みでもあります。
常に雨に塗れているようなつやつやっぷりがとても新鮮です。
こちらが外壁改修工事前の外壁。これが。。。
工事後には、このようになりました!
写真で、遠目だとあまりビフォーアフターがわかりませんが、光沢のあるクリアコーティングによって光にあたると少し輝き、ずっしりと存在感とエッジが際立ったように感じられます。
今後、冷泉荘ピクニックやイベントなどで見学ツアーを行う際には、外壁見学もコースに組み込んでまいります。
冷泉荘の外壁から感じられる時間と物語を観に、ご気軽に冷泉荘にいらしてくださいませ!