冬の風とエオリアン・ハープ

めっきり寒さが押し寄せてきましたね〜!突然寒くなったり、気温の寒暖の変化も急激です。今日は秋服、明日は冬服・・・と、ファッション好きとしては服がガラリと毎日変わるので、毎朝の天気予報と布団から出た時の肌寒さが妙に楽しくなってきたりもしています。

さて、冬といえば、ぼくはやはりエオリアン・ハープ!同じ風速でも、圧倒的につよく感じる風ですが、実際にエオリアン・ハープの鳴りも全然違います。冬は、本当によく鳴ります。春頃に聴くと神聖な雰囲気にも感じるエオリアン・ハープの音ですが、冬はまるで寒さをさらに強烈に演出するかのように鋭く、寒さもあってゆっくりと楽しむのはなかなか大変なのですが。。。それでも、本当によく鳴りますので、冬といえばエオリアン・ハープの活動に励みたくなってきてしまいます。

さて、エオリアン・ハープとは?という方もいらっしゃることと思います。エオリアン・ハープは、紀元前よりその存在が伝えられている楽器で、風が弦にぶつかることで渦が形成され、その渦が弦を振動させることで自然と音が生じる楽器です。そのため、風の神さまのための楽器と考えられ、エオリアン・ハープという名称も風の神アイオロスのもつハープから名付けられています。このエオリアン・ハープをぼくは大学で研究しておりまして、冷泉荘の管理会社・スペースRデザインや吉原住宅のある天神パークビルの屋上にて、いろいろと実験をさせていただいており、現在も引き続き設置させていただいております。

今年、大阪や東京などで、学生たちをはじめエオリアン・ハープが制作されているようで(少し相談にのったりもしました)すが、まだまだ気軽にいつでも楽しめる場所は、福岡では天神パークビル以外はなかなかないと思います。

空港が近い福岡ならではの建物の高さ制限の影響で、天神パークビルには実によい海風が吹き込み、さらに周囲のビルとの関係でぎゅっと風が集まる構造になっているため、エオリアン・ハープにもってこいの強さ安定した風が吹き続けます。冬は、風が冷たいので、じっとしばらく聴いているのは大変ですが、1階のエントランスカフェのおいしいコーヒーで手と体をあたためながら待つ、エオリアン・ハープの音。鳴りだした時、これがじつに音が体に染み入る感覚になります。待つ、という行為の面白さを改めて感じることのできる瞬間です。

ペットボトル稲や畑作などの試みも行われ、単なるテラスにはとどまらない実験的な活動・展開を続ける屋上のある天神パークビル。なんと、満室だったお部屋も今、少し空きが出ているようです。実験的な屋上からもわかるとおり、もちろん単なる事務所にはとどまらない、建物に対する圧倒的な愛情と実験的な試みがこめられたコンセプトの建物です。『エオリアン・ハープのあるビルに事務所をかまえています』、と自慢できるビルは、たぶん世界中でもめったにないのではないでしょうか。ぼくも親しみのある天神パークビル、エオリアン・ハープや屋上、風を通じて、建物にも興味を持っていただけるとうれしいなぁと思っております。

屋上は、天気がよい日であれば、エントランスカフェで一言いっていただければあがることができると思います。

ぜひ、あたたかい服装、あたたかい飲み物とともに、冬のエオリアン・ハープを体験してみてください。

風と弦、双方の鋭い姿を楽しむことができると思います。

*なお、冷泉荘でもハンディなサイズのエオリアン・ハープを置いております。感動のレベルとしては屋上にはかないませんが、こちらもぜひ触れてみてください。A棟1階冷泉荘事務局にてお貸し出し致します。

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