FUJIKENは、2012年から2013年にかけて、カール・ストーンが専ら活動の拠点にしている東京で作曲されました。
この作品は東南アジア(ベトナム、タイ、カンボジア、日本)でのフィールド・レコーディングの音源と、通りで売られている現地のカセットテープをもとにして加工/再合成した音源を組み合わせ作られています。
素材やその取り扱い方で多少決定されるセクションも有りますが、一貫した形式はなく、全体及びより小さな音楽要素もオープンで即興的です。
お聞き頂くのは、例えばバンコクのチャオプラヤ川の蛇行、プノンペンの火災発生の様子、東京で学生がスポーツを練習している所などですが、心の赴くままに演奏は進んでいきます。
『カール・ストーンの音楽は陶酔感が残る強力な刺激剤である。タフィーの様に広がっていくヴォイスは微かなコーラスでたたみ込まれ、弦楽器のすすり泣きはまるで蚊のアラベスクだ。通常は除外されるノイズは、表面がこすり取られ雑音が炸裂するが如く、豊かな音脈をもたらす。』(Steve Smith, NY times)
■日時:2014年11月7日(木) 19時スタート
■会場:冷泉荘B棟1階 2コ1多目的スペース
(福岡市博多区上川端町9-35)
冷泉荘へのアクセスはこちら→ https://www.reizensou.com/access/
■出演:カール・ストーン
■料金:予約 2,000円 / 当日 2,500円
【予約】
冷泉荘事務局 Tel : 092-985-4562
geikomusic@gmail.com
■共催:リノベーションミュージアム冷泉荘/九州大学芸術工学研究院藤枝研究室
■後援:㈱スペースRデザイン/吉原住宅㈲/NPO法人 福岡ビルストック研究会
カール・ストーン:
現在のコンピュータミュージックの先駆者の一人であり、カリフォルニア芸術大学で、Morton Subotnick, James Tenneyに師事し、1972年から電子アコースティック音楽の作曲を始める。1986年からライブパフォーマンスでコンピューターを使用しており、ヴィレッジボイス誌は『サンプリングの王者』『現在のアメリカで最も優れた作曲家の一人』と賞賛する。ストーンはロサンジェルスで生まれ、現在はカリフォルニアと日本を拠点に活躍している。その作品は、アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・アジア・オーストラリア・南米・アフリカなどで演奏されており、日本のアーティストとのコラボレーションも大友良英,高橋悠治、清水靖晃, 田中悠美子、渋谷慶一郎, 中村としまる,内橋和久、桜井真紀子、恩田晃、高橋アキなど多岐にわたる。現在は中京大学工学部メディア工学科の教授であり、作曲や演奏活動の他にレクチャーなども精力的にこなす。