今日11月10日はトイレの日とのことです。
トイレ。日本では厠と呼んでいました。
今日はトイレの日ということで、厠について少しだけ書こうと思います。

谷崎潤一郎さん筆の「陰翳礼讃」の中で、伝統的な日本建築における厠の美学について書かれています。
私は大学院まで日本の木造建築を学びました。先生に真っ先に勧められた本が、この陰翳礼讃です。
以来、私の鞄の中には必ずこの陰翳礼讃が入っていまして、何かに行き詰ったときや落ち着きたいときは必ず読みます。すると初心に返れます。

陰翳礼讃の中でも一番初めの項に厠の話はでてきます。
日本の厠は、実に精神が安まるように出来ている・・・からはじまります。具体的な内容は是非読んでいない方は読んでいただきたいです。
結びの一文に、文明の利器を取り入れるのに異論は無いが、なぜ習慣や趣味生活を重んじて、現代に順応するように進化できないのかといった内容があります。

この陰翳礼讃を読むと、日本人の完成の素晴らしさが身に染み、その素晴らしき文化が絶たれていることに気付かされます。

ちなみに冷泉荘のトイレです。
1110
冷泉荘は51年前の集合住宅です。
当時はまだ木造のアパートが中心でした。
そんな中、博多部でも先端を行く鉄筋コンクリート地下1階地上5階というアパートでした。しかも川端商店街から直通。
そんな最先端のアパートながら、木製扉のトイレや吐き出し口、共同風呂や縁側など、日本の古きよき文化を継承させようという意図が要所要所感じられます。

B45号室に残る縁側。募集中。松本和生氏撮影

B45号室に残る縁側。募集中。松本和生氏撮影

では現代の先端住宅はどうでしょう?

?だと思います。冷泉荘は陰翳礼讃が味わえる建物だと思います。

みなさんも是非陰翳礼讃を片手に遊びに来てください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする