冷泉荘 地中の排水管工事記録

冷泉荘は今年の7月で築61年。古い建物は、思いもよらない劣化がおこっていることがあります。

特に、数十年前の工事の履歴などもきちんと残っていないことも多く、壁や地面の中など、見えないところでのトラブルは発見も難しいのですが、小さなきっかけから、いかにトラブルを早急に発見できるかが、古い建物の維持・運営は欠かせません。

冷泉荘の運営会社スペースRデザインでは、物件に管理人や非常に目を尖らせて観察できる人を設定し、トラブルの早期発見を入念に行えるようにしております。

冷泉荘ではその発見役はもちろん管理人。日常の清掃をほぼ毎日1〜2時間行っておりますが、きれいにするというのはもちろん、毎日掃除することでほんの小さな変化が発見しやすいので、毎日の掃除は非常に重要な管理人のしごとです。毎日みているので、たとえばちょっとヒビがふえている気がする、シミができている気がする、という違和感レベルで気づきやすいので、大きなトラブルに発展する前にその前兆に気づく機会も多いです。

今回は明確にわかる大きさでしたが、冷泉荘前に、穴ができたことが発端。かつてダストシュートがあったあたりの一角が以前からちょっと地面がうすいなぁと感じていたところに、ぽこっとできた穴。地面下が空洞になっているようで、いつもトラブルらしき前兆を発見したときにすぐ連絡する業者さんにみていただいたら、どうも冷泉荘の排水管が地面下で劣化して割れが生じ、水が漏れて管の周囲の砂が流されて空洞ができているのではないかとのこと。

もしも割れていないとしても、配管は当時から交換していない可能性が高く、交換するべきと判断。

そこで、冷泉荘前の地面をがっぽり掘って、排水管を交換する工事を実施しました。

こちらの右下が、できた穴。中が空洞化しています。

外壁にある排水管につながっている地中の排水管が、劣化でぼっとり落ちて割れていました。ここまで空洞化しており、管が割れてしばらく水が漏れて砂や土が流されていました。

地面のコンクリートをハンマードリル、振動ドリルでくずして、掘っていきます。

あいにく雨が降ってきてしまったため、ブルーシートで屋根をつくっての作業。

1日目は、掘る作業まで。

2日目は、冷泉荘全体の排水を止めての作業。

汚水桝をこわして、もう少し掘ります。

古い建物あるあるで、謎の配管登場。中は湿り気がまったくなかったり、途中で土がつまっていたり。おそらく生きてはいない管ですが、土がつまっていて完全に生きていない管以外は、念のため新しく管を接続しました。

新しく排水管を接続。テストで水を流すと、 ばっちりきれいにするする流れます。

セメントで固めつつ、土、砂利をいれながら掘り返した土やコンクリートを埋め戻していきます。

せっかくなので、業者さんに相談をして、月刊冷泉荘と冷泉荘缶バッチをいれたタイムカプセルを埋めました。数十年後、ふたたび配管工事をする際に、スペースRデザインの今昔を感じてもらえるといいな。。。

きれいに埋戻しされました。

3日目は、表面を約10cm、コンクリートで固めます。鉄筋をいれて、砂利で少し整地しなおし、コンクリートで埋めていきます。

きれいになりました!

1日乾かして、翌日の夜、ばっちり固まりました!

冷泉荘、築100年をめざしておりますので、さまざまな工事をしていきます。

大規模な工事はもちろん、小規模な工事も、もしかしたらどこかの古いビルの保存・補修に役立つかもしれませんので、できるかぎり記録を残していきたいと思っております。

冷泉荘がどのように維持されていくのか、これからもみなさま見守っていただけますとうれしいです!

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