ビンテージな建物にはマーケットもよく似合う

年齢を重ねた方が、しわができながらも、それが表情に深みを与えてグッとくるかっこよさ・美しさを獲得するように、大切に長く使われた建物も独特の深みを獲得していきます。今年で築55年を迎えた冷泉荘のように、古い建物は、大切に使われてきた歴史の中で、あちこちがいろいろとポコポコでっぱっていたり、ぐにゃっとまがっていたり、均一でつるりとした表面は少なくなっています。もともとかなりの部分を職人さんの手作りで作られたため、はじめからそういった均一ではない独特の流線がみられますが、ちょっとした角の欠けなどがあちこちにみられます。これが冷泉荘の存在感により強度を与え、遠くでみてもどっしりとした印象、近づいても表面のディテールが素敵な陰影を作り奥深い魅力を感じさせます。

建物の陰影は、茶室に奥行きや宇宙観をプラスする墨で描かれた掛け軸のように、シンプルで家具も少ないスッキリとしたお部屋にとても似合います。しかし、さり気なくもあるため、物がごちゃごちゃっとしたお部屋でも、壁の表面のでこぼこがたくさんの物と連結するかのように一体感を生み出します。主張をしたりしなかったり。使い方によってさまざまな表情をみせるというのが、古い建物の魅力です。

そんな冷泉荘ですが、レンタルスペースでは作品展示やライブ、パフォーマンス、演劇などのアート&カルチャー系、ミーティングや講義、制作などアトリエ&教室的な利用に加え、展示販売やマーケットなイベントがよく行われます。きっかけは入居者さんだったり、まちの方だったり。本日も宮崎から染織こだまさんがいらっしゃり、木綿の着物の展示販売が行われております。

たくさんの人々が出入りした場所ということもあり、また壁のでこぼこした雰囲気とたくさんの雑貨やものが置かれ飾られることがとても似合うこともあり、マーケットのイベントはとてもしっくりきます。

10月には冷泉荘B44号の株式会社キュースタさん主催の「あおぞら市」が開催されました。毎度大人気のあおぞら市、10月は同日に福岡市内あちこちでマーケットイベントが多かったため出店数はいつもよりほんのちょっぴり少なかったですが、賑わいました。福岡を中心に活躍するクリエイターさんたちによって、冷泉荘のB棟1階、B24号 Ngalleryさん、B44号 キュースタさん、A13号 冷泉荘卓球センターを1日限りのマーケット会場に、たくさんのすてきなアイテムで彩ります!

そして11月には、パリ在住フォトエッセイスト とのまりこさんセレクトによるフランス雑貨のイベント「Boîte『ぼわっと』」が開催されました。

店長はヨークシャーテリアのバブー店長。ものすごくおとなしくてかわいいのですが、ぼくには警戒心バリバリです(笑)

ものすごい量のフランス雑貨が大集合!

アイテムといっしょに地域や作家さんの情報などもあって、フランスのことがいろいろ楽しめる素敵なイベントでした!フランスの蚤の市は行ったことがないけれど、そのエッセンスがぎゅぎゅっと凝縮している、そんな気がしました。

あおぞら市も、ぼわっとも、そして管理人のいる冷泉荘事務局も、写真だとたくさんの物に圧倒されてしまいますが、いざはいってみるとすごく落ち着くという方が多いです。やっぱり、ディテールの濃さと陰影によって浮き出るでこぼこした模様が、密度の濃さをやわらげて包み込んでくれるのではと思います。

さて、もうじきの11月30日(土)には、再びあおぞら市です!次回は出店数も50店ほどで、かなりの密度でお店が並びます!わくわくとステキを探しに、冷泉荘に遊びに遊びにいらしてくださいませ〜!

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